松尾形成外科・眼瞼クリニック

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せんてんせいがんけんかすい
先天性眼瞼下垂

 先天性眼瞼下垂の外科的処置は、体力面と発達面を考慮して、3歳以降を目安にしています。

適切な時期に適切な治療を行うことで、先天性眼瞼下垂は改善できます。

 

 成人の場合、眼瞼下垂症の手術は局所麻酔で行いますが、小児ですと全身麻酔が必要となりますので、当クリニックではなく 提携の浜松医科大学医学部附属病院にて手術を実施します。

 手術後は、ご家庭での目の使い方のトレーニングが肝要です。

 

 

 正常にまぶたを開けるには

 

①上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)が主に働き、腱膜を介して、瞼板を持ち上げています。
②ミュラー筋が交感神経の収縮で3mmまぶたが開きます。
③上直筋の収縮で間接的に2mmまぶたが開きます、
④前頭筋の収縮でまぶたの皮膚を挙上しています。瞼板につながっていないので間接的役割しか果たしていません。
 先天性眼瞼下垂症では
 
上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)が全くないか、少しある場合もありますが、上方視すると眼球だけ上がって、まぶたが取り残されていまいます。
 前頭筋はすごく眉毛やまぶたの皮膚を挙上できるのですが、瞼板につながりがないので、まぶたを開ける役割を果たしていません。

  

 私の行っている手術は、
 
①腱膜を瞼板より少し外します(元にもどせるように)。
そうすると、ミュラー筋がよく引っ張られようになり、前頭筋が不随意的・反射的(無意識に)によくちぢみ、より眉毛があがるようになります。
これは、大人の腱膜性眼瞼下垂症で眉毛があがってしまう現象で、それを応用しております。
②この動きを瞼板に伝えるように、大腿筋膜を移植して、眉毛の動きと連動して、まぶたが開くようにしています。
 
 挙筋短縮術を受けている方の再手術も、同じ方法をしております。ミュラー筋を切除されている場合、難しいことがあります。
 
 手術は、保険診療で行っています。
 
 
参考文献
Matsuo K, Yuzuriha S. Frontalis suspension with fascia lata for severe congenital blepharoptosis using enhanced involuntary reflex contraction of the frontalis muscle. J Plast Reconstr Aesthet Surg. 2009;62:480-7.