松尾形成外科・眼瞼クリニック
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粉瘤(ふんりゅう、アテローム)は皮膚の下に袋状の構造物(嚢腫)ができる病気です。
皮膚の下に出来る病気の中で一番多く、良性腫瘍のひとつです。
粉瘤の袋の壁は皮膚と同じ構造をしています。通常の皮膚ならば皮膚から出た垢は剥がれ落ちますが、粉瘤では垢が袋の中に溜まり、少しずつ袋が大きくなっていきます。
5㎜~1㎝の大きさで気が付くことが多いですが、治療せずに放置していると10㎝もの大きさになることがあります。
顔、耳の周り、背中、足底にできやすいですが、全身どこにでもできる可能性があります。
医学的には皮様嚢腫(ひようのうしゅ)、外毛根鞘性嚢腫(がいもうこうんしょうせいのうしゅ)などを指します。
毛穴が詰まったり、怪我などで皮膚の一部が皮下に入り込み、そこに垢が溜まることでできると言われていますが、多くの場合発症原因は不明です。
足底にできるものでは、イボウイルスが関係しているものもあります。
痛みのないドーム状のできものとして気が付くことが多いです。
典型的なものはドームの中央に小さな穴があります。
放置すると粉瘤の袋の壁が破裂して炎症を起こし、赤く腫れて痛みを伴います。
これを炎症性粉瘤といいます。
さらに放置すると皮膚が破れて膿がでてきます。
粉瘤は良性の腫瘍ですが、ごくまれに癌化することもあると報告されています。
当院では、体表エコーを用いて診断を行っています。
皮下のできものは多くは良性ですが、稀に悪性のできものもあります。
エコーを用いることで、他の皮下のできものと鑑別を行い、悪性が疑われる場合などは専門施
設に紹介することもあります。
粉瘤は放置すると大きくなったり、炎症を起こす可能性があるため、摘出術を勧めています。
当院では、粉瘤の大きさや部位などに応じて、切開法またはくりぬき法で行っています。
いずれも局所麻酔で10~20分程度の手術となり、保険適用の治療となります。
摘出した粉瘤は、基本的に顕微鏡検査(病理検査)に提出して確実な診断を行います。
粉瘤の直上の皮膚を紡錘形に切開し、その下の袋とともに摘出します。
摘出後の傷は縫って閉じます。1~2週間後に抜糸を行います。
大きなものや過去に炎症を起こした粉瘤でも摘出することができます。
くりぬき法と比較して傷跡が線状で目立ちやすいですが、できるだけ小さな切開、丁寧な縫合
を行い、目立ちにくい傷跡になるよう注意しています。
デルマパンチという器械を使って、粉瘤の直上に直径3~4㎜の穴をあけ、内容物(垢)を絞りだした後に袋を取りだします。
傷は縫合しないため抜糸の必要はありません。1~2週間程度で閉鎖します。
傷跡は、最終的にニキビ跡のような凹みになります。
切開法と比較して傷跡が小さく目立ちにくいというメリットがあります。
顔などの傷跡が気になる部位や、縫った傷の脱毛が気になる頭部、傷が固くなって歩行に支障がでる足底などに適した方法です。
一度炎症を起こしたことがある粉瘤や、大きな粉瘤ではこの方法は使えないため切開法を行います。
炎症を起こしている粉瘤では、通常2回の手術が必要になります。
1回目は切開をして膿を排出し、炎症を鎮めます。2回目は炎症が落ち着いた後に残った袋を摘
出します。
1回目の手術で袋も取り切れた場合、1回の手術で済みます。